森のリーダー
とある世界のおはなし。
その森では動物たちが仲良く暮らしていた。住みよい森なので数も増え、色々とまらなくなっていった。
そこで動物たちは神様に『この森にリーダーを授けてください』と願った。神さまはそれに応えフクロウを森に送った。
フクロウは賢く、優しく、森のみんなが納得する方法を考えた。しかしすべての動物が納得する方法など簡単には見つからず時間だけが過ぎる。
そんなリーダーに動物たちは『いつも時間ばかりかかって何も決まらない』と不満をつのらせ、フクロウは自信をなくして昼間はでてこなくなった。
そこで動物たちは神様に『この森にリーダーを授けてください』と願った。神さまはそれに応え次はサルを森に送った。
サルは賢いが、せっかちなので思いつくままに決めた。おかげで何でもすぐ決まるが、説明もなく失敗も多かった。
そんなリーダーに動物たちは『説明なく失敗ばかり』と不満をつのらせ、サルは自信をなくして木の上からおりてこなくなった。
そこで動物たちは神様に『この森にリーダーを授けてください』と願った。神さまはそれに応え次はカエルを森に送った。
カエルはケロケロとよく通る声でいつもみんなに説明した。森の動物たちも聞きほれ、これなら安心だと思ったが、説明するばかりでなにも決めない。
そんなリーダーに動物たちは『聞き心地がいいだけだ』と不満をつのらせ、カエルは自信をなくして水の中に潜ってしまった。
そこで動物たちは神様に『この森にリーダーを授けてください』と願った。神さまはそれに応え虎を森に送った。
虎は自分が一番だと自信満々。誰の言うことも聞かず、思うままに決め、なにも説明しなかった。おまけにみんなのことなど考えず、いつも自分が一番。
そんなリーダーに動物たちは『自分勝手でわがまますぎる』と不満をつのらせたが、虎は『文句をいう奴はいらない』と食べてしまった。
おかげで森の動物たちは怖くてなにも言わなくなった。前のリーダーたちに帰ってきてほしいと思いながら、いまでも虎から逃げてこっそり暮らすようになったとさ。
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